障害児の家族支援の在り方について考えるため、すでに統合失調症の家族研究で知見が明らかになっている家族の感情表出研究を障害のある子どもの家族に応用して研究してきた。コホート研究の結果、EE、QOL、子どもの行動はあまり変わらないことがわかった。これは、サービス利用がEEを安定させているのではないかと思われる。その結果を踏まえ、家族心理教育を実践し、介入前後および対照群との比較を行ったが、効果を明らかにすることはできなかった。しかし、対象者や介入回数を増やすなど介入方法を工夫することで介入効果の可能性が示唆された。また、EEの評価尺度の一つである批判的コメントが向けられている内容について分析を行ったところ「将来に対する不安」が最も多かった。家族が将来に希望をもてるような家族支援システムの構築が望まれるとともに、家族心理教育は家族に将来の希望をもたらすものになりうると考えている。
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