1. 安全文化に関する基礎的文献研究と資料整理による知見の整理 本年度は、まず、原子力、航空、化学、食品、医療分野の安全文化に関する先行研究を整理し、安全文化の概念や定義、構成要素等について検討した。また、先行研究を参考に、介護施設の安全文化水準を評価・測定するための安全文化評価尺度を作成した。 2. Webブラウザ型アクシデントレポートシステムの構築 Webシステム構築に向けた基礎作業として、まず、既存の事故報告書や先行研究の結果等をもとに、類型化項目の整理及び介護事故情報のコード化を行った。コード化した情報は、事業者基本マスタ、利用者基本マスタ、職員基本マスタ、報告者情報、報告者の事故発生時の位置関係、発生時の職員のケガ、精神的苦痛・ダメージの状況、損害規模、事故内容、発生場面、発生・発見時間、損害種別、傷害部位、発生要因等である。次に、これらのコード表をもとに、webシステムの設計・開発を行った。具体的には、(1)画面遷移図の作成、(2)ログイン、パスワード画面作成、(3)アクシデントレポート報告画面作成、(4)ベンチマーク機能画面作成及びプログラム作成、(5)CSVはきだしプログラム作成、(6)入居者別事故発生状況画面作成、(7)集計機能画面作成及びプログラム作成(8)SSL暗号化(9)エラーの修正作業等を行った。本システムは、介護職員の入力作業負荷を軽減するため、プルダウンを多用するなど、ユーザーフレンドリーなインターフェースを採用した。なお、システム開発及び運用保守はITベンダーに委託した。 3. テスト運用及び調査準備作業の実施 介護老人福祉施設において、本稼動を想定した最終検証及びプログラム修正を行った。また、次年度実施予定の量的調査の準備作業として、調査対象施設の選定、調査協力依頼状の作成、入カマニュアルの作成を行った。
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