• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

児童養護施設における子どもの権利擁護に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20730395
研究機関常磐会短期大学

研究代表者

長瀬 正子  常磐会短期大学, 幼児教育科, 講師 (20442296)

キーワード子どもの権利擁護 / 児童養護施設 / 子どもの権利ノート / 児童養護施設職員
研究概要

本研究は、大阪府における『子どもの権利ノート』の導入が児童養護施設現場の施設職員の意識およびケア方法、施設の体制にどのような変化をもたらしたのかをインタビュー調査により実証的かつ構造的に明らかにするものである。
2008年4月から2009年2月にかけて、『権利ノート』作成以前の状況も知る勤務経験が10年以上の児童養護施設職員12名の協力を得た。半構造化面接によるインタビュー調査を行い、(1)『権利ノート』の印象(2)『権利ノート』の導入過程(3)子どもとめのエピソード(4)変化した体制や意識(5)『権利ノート』に対する評価について尋ねた。インタビューデータを丹念に読み込み、ライフヒストリー法による分析を行った。問いかけに対応するデータの切片化、まとまりをあらわす言葉をコードとして付し、時系列に並べ、事実と職員の意味づけに分類し整理を行った。
結果として、児童養護施設現場は、「集団指導から個人の尊重」「子どもの声を聴く」「プライバシーの尊重」「体罰によらない指導」「導くより後押しのスタンス」「抱え込み体制かち他の機関をまきこんでのチームワーク」という変化があった。しかしながら、施設の生活形態や職員配置基準の低さが変わらない状況において、新たに生じてきた問題、子どもとの葛藤、意識が高まったからこそ生じた職員の苦悩も明らかとなった。
子どもの権利条約が批准されて10年以上が経過したが、生活文脈における子どもとおとなの関係性の変化はほとんが明らかにされていない。本研究は、児童養護施設現場という生活文脈において子どもの権利の理念が浸透していく過程やおとなの意識の変遷を明らかにした。同時に、施設職員、つまりおとなの意識向上だけでは子どもの権利擁護を保障することが困難である現実も詳細に描き出した。根本的な制度や生活形態の変革の重要性はかねてから指摘されるところであるが、それが望まれる現実の有様を描き出したことが本研究の特徴である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 児童養護施設現場における『子どもの権利ノート』導入によってもたらされた変化-大阪府内の施設職員に対するインタビュー調査から-2009

    • 著者名/発表者名
      長瀬正子
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第57回全国大会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      2009-10-11
  • [備考]

    • URL

      http://www.tokiwakai.ac.jp/training/expense.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi