本研究では、災害発生から4年以上が経過した中・長期的な時間的側面をふまえて、子どもの心身の変化やその指導に対する教師のとまどい、さらにこころのケアに関する学校体制、被災者である教師自身の外傷後ストレス障害やうつ病・不安障害の実情について明らかにした。その結果、子どもの心身の変化は、<人間関係を回避する行動><無気力・うつ><攻撃的な行動><身体症状>であった。また、自宅の被害が大きかった教師において、PTSD、さらに不安障害・うつ病のリスクが高いことがわかった。このことから災害後の中長期的なこころケアでは、子どもたちだけでなく、教師へのサポートもケアの中に明確に位置づけられる必要があることが示された。
|