軽度発達障害を疑われる子と親への早期介入プログラムを、保健センターで実施する事後フォロー教室とは別に立ち上げ、地域の保育園を使い、親への育児支援をおもな目的とした少人数によるフォローアップ親子教室を開催した。1クール8回(隔週・午前中)、4か月の開催とし、参加者は、新規と継続の参加者で構成され、原則2クールを継続しての参加とした。教室のプログラムおよび効果を検討するために、資料収集および事例検討を進めたところ、子どもの年齢による教室の課題が異なること、また母親への意識づけにより効果が異なることが確認されたため、教室プログラム全体の見直しを行った。また平成20年8月のクールから参加する母親と子ども11名に研究の同意を得て、教室参加前に母親の精神状態および子どもの発達検査等を実施した。評価の方法は、母親の精神状態の把握には、ベック抑うつ質問票(BDI)を実施し、子どもには新版K式発達検査による発達評価、またオリジナルに作成した乳児期の行動チェック表の母親に記入してもらった。乳児期の行動チェック表について、1歳半児健診で統制群のデータを収集し、比較分析の結果、新たに項目を作成しなおした。教室参加後に再度実施予定であったBDIおよび新版K式発達検査は、参加終了が3月末から4月になるため、現在データを収集、分析中である。教室参加前の分析では、子どものDQは、運動領域の発達は年齢相応のものの、言語-社会領域の落ち込みが多く認められ、また母親のBDIでは抑うつの程度が高いことが示されている。こうした発達のアンバランスさや、母親の抑うつの高さが、教室の参加によってどのように推移するか来年度以降、検討を進める予定である。
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