研究概要 |
本究の目的は,「注視・傾聴」行動を中心とした児童の積極的授業参加行動の様相をより具体的に明らかにし,児童を授業に積極的に参加させるための介入プログラムを提案することである。そのため,21年度の研究実施計画として,(1)(1)授業場面の観察を通した「注視・傾聴」行動の分析,(2)注視・傾聴」行動と動機づけに対する児童の認識の調査の2つの計画を立てた。(1)に関しては,公立小学校4年生の1学級を対象として,新年度になり新しく学級を組織した1学期の最初から学級形成が落ち着いたと考えられる1学期の間,週1回程度の授業観察を行い,積極的授業参加行動の変化についてビデオ録画による記録を取った。また,観察者による対象学級の児童の行動評定を行った。行動分析および観察者の評定の対応を分析することにより,児童の積極的参加行動の変化を明らかにすることができると考えられる。また,「注視・傾聴」行動に変化が見られた児童の行動と詳細に分析し,「注視・傾聴」行動の変化の様相を明らかにしていく。また,計画(2)に関しては,観察対象とした4年生の学級の児童に,1学期の最初と終わり,また年度末の計3回積極的授業参加行動および学習に対する目標や動機づけ,コンピテンスを尋ねる質問紙調査を行った。縦断的調査を行うことにより,各自の積極的授業参加行動の変化,また,積極的授業参加行動と学習に対する目標や動機づけの関連の仕方の変化を検討した。その結果,積極的授業参加行動が1学期当初に比べ1学期末,年度末に低下している児童は,学習に対する目標も低下する傾向にあることが示唆された。さらに,授業中の行動分析との関連を検討していく予定である。
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