青年後期から成人初期にかけてのアイデンティティ発達の文脈として、源家族との関係性に焦点を当てる。若年成人の親への依存や巣立ちをめぐる問題は、晩婚化や少子化と相まって、今や大きな社会的関心事となっている。両親がいる場合、彼らの潜在的・顕在的な葛藤は、被養育的立場でなくなった成人期においても、アイデンティティの形成に重大な影響を及ぼす可能性があると考えられる。 そこで本研究では、配偶者との不和における両親の子どもへの期待や、父母双方の心理的不適応が及ぼす影響について明らかにする。研究期間の4年間を通して、質問紙調査による計量的分析と、半構造化面接による質的分析を実施し、様々な角度から若年成人のアイデンティティと両親間不和の関係を明らかにしていく。
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