本研究では、第一に、個々のテスト項目について履修状況が得られているテストのデータセットを、このことと階層性の両方を考慮したモデルを構成して分析した。その結果、多くの項目において、受検者側の特性値が同じだとしても、個々の項目の履修状況によって当該項目の困難度は変わりうることが示唆された。第二に、小学校の英語活動に関するテストのデータセットを分析した。その際には、各学校での英語活動の取組に違いがあることを踏まえて、項目困難度が学校間で異なることを仮定し、階層性を考慮した予測変数つきのモデルを用いた。その結果、他の候補としたモデルよりも相対的に適合度が高く、多くの項目において、学校間で困難度が異なることが示唆された。
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