本研究の目的は、加齢に伴う心身機能の低下のため、日常生活を自身の力のみでは維持することが困難となった高齢者における適応的な依存の在り方を明らかにすることであった。まず、特にホーム・ヘルパーへの依存に焦点を当てた面接調査を行い、その依存構造に関する仮説的モデルを作成した。次に、このモデルを基に、依存の規定因(ホーム・ヘルパーの介護態度、高齢者の対人特性)および依存と高齢者の介護満足度・主観的幸福感との関連を質問紙調査によって検討した。さらに面接調査を行い、依存と自立のバランスに焦点を当て、加齢に伴う依存の増加への適応過程についても検討を行った。
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