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2008 年度 実績報告書

統合失調症患者の気質・性格と認知機能・社会機能の関連について

研究課題

研究課題/領域番号 20730443
研究機関東京大学

研究代表者

山崎 修道  東京大学, 医学部・附属病院, 教務補佐員 (10447401)

キーワード統合失調症 / 認知機能 / パーソナリティ / 社会機能 / 認知行動療法 / 気質・性格 / 心理社会的介入
研究概要

近年の研究から, 統合失調症患者の障害の中核は, 認知機能障害であることが明らかになってきた。統合失調症の認知機能障害は, 社会適応と強く関係しており, 認知機能の改善が社会適応の改善につながるとされている, しかしながら臨床場面では, 1)同レベルの認知機能障害を持っていても, 社会適応が良い患者と社会適応が悪い患者が存在する. 2)同じ治療介入を実施しても、介入後の社会適応が良い患者と悪い患者が存在する. このような個人差が生じる要因については, 未だ良く分かっていない.
そこで本研究では, (A)統合失調症患者を対象に, 客観的なアセスメントツールを用いて, 認知機能・社会機能・パーソナリティを評価し, 多変量解析を用いて関連を分析する. 次に, (B)パーソナリティ特性によって, 心理社会的介入の効果が異なることを実証する. 本研究は, 統合失調症患者の就労支援・自立支援を行う際の基礎資料となるだけではなく, 社会適応の心理学的・生物学的研究の基盤となる. また, 本研究を元に, エビデンスに基づいたテーラーメードの支援が可能となる.
本年度では, 研究課題のうち(A)を実施した. 統合失調症患者20名を対象に, 神経心理検査・評価尺度・質問紙を実施し, 認知機能・社会機能・パーソナリティ(気質・性格)を評価した. 調査に際しては, 説明と書面による同意を得た. それぞれの指標間の関連を予備的に検討したところ, 1)認知機能が悪いほど, 社会機能が悪い, 2)認知機能単独よりも, 認知機能と気質・性格を組み合わせたほうが, 社会機能をより強く予測できる, 3)認知機能よりも, 気質・性格のほうが, 社会機能の予測力が強いことが示唆された. この結果は, 第4回日本統合失調症学会において発表した. また, (B)パーソナリティ特性によって, 心理社会的介入の効果が異なることを実証する前段階として, 心理社会的介入に関する雑誌論文2件, 学会発表1件を発表した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 精神科リハビリテーションでのCBT(統合失調症)2009

    • 著者名/発表者名
      山崎修道
    • 雑誌名

      臨床心理学 (印刷中)(掲載確定)

  • [雑誌論文] 精神科リハビリテーション統合失調症2008

    • 著者名/発表者名
      山崎修道
    • 雑誌名

      実践心理アセスメント職域別・発達段階別・問題別でわかる援助につながるアセスメント(下山晴彦・松澤広和編) (こころの科学Special Issue)

      ページ: 144-152

  • [学会発表] 統合失調症患者におけるパーソナリティと認知機能・社会機能の関連〜気質・性格質問紙(TCI)を用いた検討〜2009

    • 著者名/発表者名
      山崎修道・古川俊一・石橋綾・清水希実子・永井真理子・浅井久栄・藤枝由美子・柴田貴美子・笠井清登
    • 学会等名
      日本統合失調症学会第4回大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-01-30
  • [学会発表] 統合失調症患者にどう働きかければ作業成績が改善するのか?〜教示の工夫により内田クレペリン検査の成績が改善したケース2008

    • 著者名/発表者名
      山崎修道・浅井久栄・石橋綾・清水希実子・藤枝由美子・柴田貴美子・永井真理子・古川俊一
    • 学会等名
      第16回精神障害者リハビリテーション学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-11-23
  • [備考] 統合失調症患者の認知機能と気質・性格の関連について

    • URL

      http://plaza.umin.ac.lp/syudo/TCI/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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