本研究の目的は、心理・社会的ストレスが発症要因、増悪・再発要因、維持要因として作用するメニエール病患者に対し、問題となる認知的、行動的変数を調査により明らかにすること、また、調査結果で示された認知的、行動的問題を改善するための認知行動療法プログラムを開発し、その臨床適用と効果について実証的データを用いて検証することである。本研究においてメニエール病患者の認知的、行動的問題が明らかとなり、認知行動療法プログラムが開発され、その有効性が実証されれば、耳鼻咽喉科による内耳の治療と併せて認知行動療法を用いることにより心理・社会的ストレスのコントロールが可能になり、メニエール病の改善に繋がる新たな治療選択肢となり得る。 平成21年度は、メニエール病患者における認知的、行動的問題について調査を実施するための準備を進めた。具体的には、次年度の調査実施に向けて、昨年度に収集した文献・尺度を元にして、調査用紙の作成を行った。また、本研究の進行と並行して、本研究の現時点までの成果を本邦学会でそれぞれシンポジウム、ポスター発表にて2回発表し、本邦査読誌2誌に掲載されることとなった。
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