本研究では、2種類の自己教示(アクセプタンス自己教示と対処的自己教示)が、大学生の社会不安傾向とアクセプタンスに及ぼす効果について検討した。研究1では、3名の社会不安傾向の大学生を対象とした。参加者はアクセプタンス自己教示を用いた際、ベースライン時に比べてAAQ得点と主観的な社会不安が改善していた。研究2では、18名の社会不安傾向の大学生を対象とした。参加者は対処的自己教示と、アクセプタンス自己教示を用いる条件にランダムに配置され、その効果を群間で比較検討した。その結果、対処的自己教示よりもアクセプタンス自己教示のほうが、AAQ得点を向上させ、また、主観的な社会不安も低減させうることを明らかにした。さらにその効果は6ヵ月後も部分的に維持され、本研究で用いた訓練が、特性的な社会不安の低減にも繋がりうることを示した。
|