質問紙調査より、90年代よりも2000年代の青年は、同一性拡散や対人関係・自尊心の苦しみが減ったことが示された。これを精神的に健康になったと見るか解離が進んだと見るかは議論の余地がある。また2000年代の青年は、空想や内省が苦手かつ解離傾向が高いほど、対人関係・自尊心の苦しみが高まることが示された。さらに質的調査より、2000年代の青年のうち内面と表現がうまくっながらない者は表現に傍さを抱える可能性が示された。適度に解離することと一貫した自分をもっことに関し、どのようなあり方を精神的に健康と見るかは継続的に考えたい。
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