研究課題
22年度も昨年度に引き続き、薬物治療抵抗性うつ病患者11例(男性8例、女性3例、平均年齢42.5±10.0歳)を対象に、集団認知行動療法を実施し、その効果を検討した。集団認知行動療法(以下、CBGT)は、Beckら(1979)をもとに心理教育セッション2回と治療セッション10回の計12回から構成され、各90分、週1回実施された。CBGTの短期的効果を検討するため、CBGT前後において抑うつ症状(BDI)、社会的機能(SF-36, GAF)、不適応的認知(DAS, ATQ-R)を測定した。なお、研究参加については広島大学医学部倫理委員会の基準に基づいて、文書による同意を得た。抑うつ症状(BDI)について測定時期を要因とするANOVAを行った結果、時期の効果が有意であり(p<.01)、CBGT後はCBGT前よりも有意に減少していた。また社会的機能(SF-36)についても同様に時期を要因とするANOVAを行った結果、測定時期の効果が有意であった(p<.01)。さらに、非機能的認知(DAS、ATQ-R)のANOVAの結果も時期の効果が有意であった(それぞれp<.05)。以上の結果から、通常治療期間中は抑うつ症状や社会機能、非機能的認知の変化は乏しい治療抵抗性うつ病患者において、認知行動療法後にはそれぞれの改善が認められた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Journal of Affective Disorder
巻: 122 ページ: 76-85