<アルコール再飲酒リスク評価尺度(Alcohol Relapse Risk Scale : ARRS)の標準化作業> 刺激薬物と並び重要な依存性薬物のひとつである、アルコールに対する再飲酒リスクを多次元的に測定するアルコール再飲酒リスク評価尺度(Alcohol Relapse Risk Scale : ARRS)を開発し、今まで連携体制を構築してきたアルコール依存症治療施設の入院・通院患者200名を対象に実施した。併せてアルコールヘの渇望感、抑うつ(CES-D)・現在の飲酒状況・1ヶ月後の再飲酒の有無など、他変数についても測定を行った。統計解析の結果、おおむね十分な信頼性と妥当性を確保する値を得、標準化を終了、英文論文を執筆した。 <アルコール依存者への嗜癖重症度指標(ASI-J)の適応> 共同研究機関である久里浜アルコールセンター主導により実施・収集済みであるアルコール依存患者のASI-Jデータ350名分を整理、基本統計量や予後との関連を中心に統計解析を行い、日本のアルコール依存患者の実態を明らかにするとともに、ASI-Jがアルコール依存患者にも適応可能であることを確認した。 <法務機関との連携構築と予備的調査の施行> 静岡刑務所(静岡)、法務省矯正局、法務省保護局(以上東京)など、薬物依存者とかかわる重要機関の一つである法務機関との信頼関係・連携体制を構築し、当該研究者が開発した尺度の薬物事犯者への応用に向けて、打ち合わせや予備的な調査を行った。
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