研究概要 |
本研究の目的は,裁判員裁判における「目撃記憶の信頼性評価」の問題について,心理学的な観点からアプローチを行うことである。裁判員裁判では,裁判官と裁判員とがそれぞれ目撃記憶(証言)の信頼性を評価することになる。しかしながら,両者が公判から得られた情報をどのように処理し,目撃記憶の信頼性を評価するのかといった認知的なメカニズムの解明は,これまでに十分議論が行われていない。目撃記憶の信頼性評価における認知的なメカニズムを解明することは,ヒトの情報処理に関する基礎心理学的な知見に加え,より有効な裁判員裁判のあり方を議論する上での基盤的な知見を提供することにもつながる。そこで本研究では,どのような情報処理の過程を経て,裁判において目撃記憶の信頼性が評価されるのかを明らかにする。
|