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2009 年度 実績報告書

視覚・触覚間における形態情報統合の処理ステージを探る

研究課題

研究課題/領域番号 20730471
研究機関東北大学

研究代表者

和田 裕一  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80312635)

キーワード異種感覚間統合 / 視覚と触覚における交互作用 / 空間的注意 / パターン知覚 / クロスモーダル知覚
研究概要

視覚・触覚間の形態情報の統合に及ぼす外因性空間的注意の影響について検討した昨年度の結果を踏まえて,本年度は,注意定位のモードを外因性注意から内因性注意に替えた実験を行った。実験では,redundancy-gainパラダイムによる方位弁別課題に空間的手掛かり法を組み合わせた刺激事態を設定し,実験参加者が刺激の提示位置にあらかじめ自発的に空間的注意を向けた場合(valid試行)と向けなかった場合(invalid試行)とで,当該位置における視覚・触覚間の情報統合のあり方に差異がみられるかについて検討した。その結果,valid試行とinvalid試行ともに,情報統合の結果に起因すると考えられる有意な反応促進効果(redundancy gain)が認められた。また,両条件における効果量は同程度であった。この結果は,視覚・触覚間の形態情報統合は内因性の空間的注意が作用するよりも前の過程で生じているか,もしくは内因性注意の作用と独立に生起する可能性を示唆するものであるといえる。また,昨年度の知見を併せて考えると,形態情報の情報統合に及ぼす空間的注意の作用は,注意定位のモードに依存する可能性が指摘できる。
次に,初期知覚系における触覚表象が視覚表象と統合され得るか否かについても検討した。具体的には,視覚方位刺激の検出課題等でこれまでに報告されているフランカー刺激の文脈依存的な修飾が,フランカー刺激を触覚で提示した場合にも生起しうるかについて検討した。その結果,視覚方位刺激の検出閾は,同方向の方位をもつ触覚線分刺激がその両隣の位置に提示された場合,方位情報を持たないそれが提示された場合と比較して低下することを見出した。視覚刺激の検出に作用する触覚刺激のクロスモーダルな文脈的修飾効果を示した本結果は,初期知覚過程における感覚間統合作用の関与を窺わせる知見であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 触覚間の形態情報統合に及ぼす空間的注意の効果2009

    • 著者名/発表者名
      和田裕一
    • 学会等名
      第一回多感覚研究会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2009-12-16
  • [学会発表] 視覚情報の触知覚促進効果に及ぼす視野上下反転の影響2009

    • 著者名/発表者名
      和田裕一
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第28回大会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2009-12-06
  • [学会発表] 視触覚統合に及ぼす内因性空間的注意の影響2009

    • 著者名/発表者名
      和田裕一
    • 学会等名
      日本心理学会第73回大会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2009-08-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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