研究概要 |
本研究は,長期的学習による刺激呈示傾向が単純接触効果に及ぼす影響について検討した。学習は1週間ごとに計3回行い, 5分後ないし1週間後に評定を実施した。刺激の呈示傾向として,上昇,一定,減少の3条件を設定した。刺激には,多次元図形(実験1),人工文法(実験2),無意味描画(実験3)を使用した。実験1では,典型性の低い刺激は,呈示回数が学習セッション毎に増加する条件において好意度評価が高く,減少ないし一定の条件において低かった。実験2では,呈示傾向の操作による好意度の変化は見られなかった。また,文字列の文字数によって文法判断評定値が異なっていた。実験3では, 5分後評定の好意度は直前の学習で多く接触した条件で上昇したことから,評定直前の呈示回数が好意度に影響していることが示唆された。1週間後評定において好意度,親近性,懐かしさの上昇が確認された。さらに,刺激の総呈示回数を増やし,各学習における条件間の呈示回数の幅を広げて呈示した場合,学習初期から刺激を多く呈示することで,好意度が高くなることが示された。
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