研究概要 |
平成21年度は,申請者のモデルと大脳半球相互作用における代表的モデルであるBanichによる分業モデルとの比較検討を目的に行動実験を行った。3つの実験を行って結果を分析したところ,申請者のモデルを支持する結果が得られた。現在この結果をまとめ国際的な論文誌に投稿する準備を進めている。また,平成21年度から脳画像実験を開始した。まだ,十分なデータ数がないものの,実験は順調に進んでいる。平成21年の6月には脳画像実験の経験が豊富なメルボルン大学のチームと詳細な打ち合わせを行い,現在も緊密な連絡を取りながらデータの取得と分析を行っている。十分なデータがそろい次第,詳細な分析に移ることが出来るであろう。 加えて,これまで予備的に行ってきた空間関係処理に与える注意の影響および課題難易度の効果に関する検討を論文としてまとめ出版することが出来た。この論文は国際的な論文誌であるActa Psychologicaに採択され,平成22年のうちに掲載される予定である。これ以外にも,これまでの研究成果はCognitive Science,Attention,Perception,& Psychophysicsなどの論文誌に投稿され現在審査を受けている。また,今回の実験を含むさまざま研究場面で必要となる心理測定に関わる基礎的な問題について検討を行った。具体的には,効果量や信頼区間の取り扱いに焦点をあてた検討を行い論文としてまとめ基礎心理学研究に論文として発表した。
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