本研究の目的は、スタンダードの開発と改訂に関わるシステムと方法論を明らかにすること、特に、高次の学力を教科横断的なカテゴリーとしてスタンダード化する方法、および、そうしたスタンダードに基づく効果的かつ民主的な学校改善システムのあり方を探究することにある。具体的には、以下の3点を研究の柱に据える。 (1)学力論やスタンダード論に関する国内外の理論的・実践的蓄積を整理・分析することで、教科横断的な能力のスタンダード化の枠組みを構築する。 (2)米国を中心に諸外国におけるスタンダードに基づく学校改善システム、特に、スタンダードに向けた教育を支える教育条件の整備やアカウンタビリティのシステムの実態を明らかにする。そして、多様な事例の収集・分析を通じて、効果的かつ民主的な学校改善システムを創出するための指針を構成する。 (3)(1)(2)で得られた知見をふまえながら、日本の小中学校でのアクション・リサーチを進める。これにより、高次の学力のスタンダード化の枠組みをより実践性の高いものへと練り直すとともに、スタンダードに基づく学校改善システムを創出する。
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