本年度は、対象地予定としていた高知県と兵庫県の他に、茨城県を加えた3県において学校設置状況調査とアンケート調査を実施した。 茨城県については、補助金による学校整備の事例から、初等教育から中等教育までの学校施設への公費投入と学校再編の歴史を検証した。とりわけ茨城県N市での義務教育学校の再編動向を学校等適正配置検討委員会での検討過程を通じて検証した。そして、学校の通学区域の広域化による通学負担が増大していることと、教育行政団体による通学補助の方途を探る必要性を明らかにした。 高知県については、公立と私立の高等学校のうち、伝統校と呼ばれる創立100年を経過した学校を訪問し、学校文書の保存状況を確認した。とくに戦後教育改革期の公立高等学校の平準化による公立学校と私立学校の構成の変化を検証した。 兵庫県の調査では、公立高等学校の入試方式の変更を検証した上で、兵庫県内の公立高校生とその保護者に対してアンケート調査をおこない、高校生900名と保護者220名の回答を得た。高校通学区域の広域化による高校生と保護者の進路についての通念の変化をさぐるべく、現在分析中である。
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