本研究は、カリキュラム・マネジメントの思想ならびに方法に基づき、各小・中学校が年度当初に、教育課程に関するアクション・プランを策定する際の諸条件を明らかにするとともに、その実効化に向けて策定されたアクション・プランを、各教員の授業実践レベルにまで反映するための具体的な方策を開発することを目的とするものである。 平成20年度においては、以下の研究を進めた。 1. カリキュラム・マネジメントに関連する著作、論文を蒐集し、その内容を整理した。 2. カリキュラム・マネジメントにかかる実態を明らかにするため、公立の小学校で聞き取り調査を実施した。 3. 独立行政法人・教員研修センターが主催する「カリキュラム・マネジメント研修」(平成20年12月)において、受講生である各地の学校の教員(カリキュラム・マネジメントにかかる地域リーダー的存在)に研究協力を依頼した。 4. [Do! Action!シート]の試行版を作成し、カリキュラム・マネジメントに関する教員研修(教務主任クラス)において配布を行った。 以上の研究を通して、カリキュラム・マネジメントの実効化に関して、各学校内においては、その目的や意義は理解されても、「誰」が校内におけるその担い手(リーダー)になっていくのかについて、また、具体的にどのような「手順」でそれを進めていくのかについての十分な共通意識が醸成されていないことをおもに明らかにした。
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