本研究は、カリキュラム・マネジメントの思想ならびに方法に基づき、各小・中学校が年度当初に、教育課程に関するアクション・プランを策定する際の諸条件を明らかにするとともに、その実効化に向けて策定されたアクション・プランを、各教員の授業実践レベルにまで反映するための具体的な方策を開発することを目的とするものである。 平成21年度においては、以下の研究を進めた。 1. 平成20年度に制作した「カリキュラムをみんなで創りましょう!DO!チェックシート」を小・中学校の教務主任等に配布し、その実効性について検証した。 2. カリキュラム・マネジメントに関する学校内での手続きや方法論(特に年度末から新年度の引継ぎを中心に)などを明らかにするため、京都市や宝塚市の公立の小学校で聞き取り調査を実施した。 3. カリキュラム・マネジメントを教職員集団全体の創造的仕事として実施していくための方法論として、ワークショップ型の校内研修・研究の理念および方法論について検討するとともに、各地の教育センター等の講師として実践を行った。 4. リーフレット"「いい学校」の創り方-カリキュラム/マネジメントによる学校教育活動の改善」を作成し、教育行政および教育方法の研究者、小・中・高等学校の学校現場、各地の教育センター等に配布した。 以上の研究を通して、カリキュラム・マネジメントの実効化に関して、(1)学校課題、(2)教育目標、(3)教育活動、(4)学校評価、(5)学校組織・文化の観点から、各学校内において具体的に取り組みを進めていく方法論を提案した。
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