公立学校における危機管理に関して(1)公立高等学校の校長に対するアンケート調査の計量分析と(2)学校の危機管理に関係する判例分析の2領域における研究の結果、主に以下の3点が明らかとなった。第一に、公立高等学校校長の勤務校における安全配慮に関する取り組みでは、部活動中と自習時間の学校事故対策としての教員の立ち会いと、外部進入者への対策としての来校者の把握に重点が置かれていた。第二に、事故が多発する時間帯における事故発生可能性に対する認識は実際の発生よりも少なく捉える傾向にあった。第三に、「学校において児童・生徒が被害者及び加害者となった事件・事故」の裁判例を分析した結果、学校(教職員を含む)に求められる安全配慮義務に変化がみられた。
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