|
平成21年度は、市町村合併と地方局の再編(教育行政領域でいえば教育事務所の再編)がどのようなインパクトを持っていたのかについて、特に教員人事行政の側面から調査を行った。全県的な広域人事を行うことで知られているN県の教員人事行政に長く関わってきた退職職員から、N県における広域人事の変遷(30年程度)について聞き取り調査を行い、データを収集した。平成22年度は、この聞き取りデータを取りまとめる一方、実際の政策文書や異動等の動態に関するデータの収集を通じて裏付けをとり、自治体をめぐる環境変化と教育行政(教員人事行政)の対応について考察を加える予定である。平成25年度はその基礎的作業を行った。
また、近年の市町村合併(平成の大合併)と、それに伴う都道府県での地方局再編(教育事務所再編)が、教育行政にどのようなインパクトを与えているのかについて、教員人事行政の側面から検討を行った。具体的には、教員の人事異動について、実際の動態がどのように変化しているのかを資料調査から明らかにし、「狭い」異動が増えつつある傾向にあることを見出した。この成果については、平成21年の日本教育行政学会において発表を行った。これに加え、市町村合併がどのような議論のもとに進められ、学校統廃合などとどのような関係にあったのかを検討する基礎的作業として、K市を対象とする調査を行い、関係者からの聞き取りや関係資料の収集を行った。
さらに、市町村合併と地方局(教育事務所)の再編、さらには学校統廃合といった変動がどのような関係にあるのか、地域の人口地理的状況や社会経済条件と何らかの関係が見出せるのかを平成23年度に検討できるよう、平成21年度に引き続きデータセットの購入・整備をすすめた。
|
