近年のイギリスの公教育が、「多様性と民主主義的価値観を尊重するよき市民」の育成にどのような経緯を経て向き合ってきたのか、またナショナル・カリキュラムおよびその実践を通じて、子どもの多様性の尊重、平等、人権、自尊感情やアイデンティティ、社会的スキル、公共性、学力、その他民主主義的価値観にまつわる課題をどのように克服しようとしているのかを明らかにし、今日文化や価値の多様化、特に若者の間に広がる政治的無関心、無力感、差別やいじめといった問題に直面する日本における、「多文化共生社会のための市民性教育」の実現のための示唆を得た。
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