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2008 年度 実績報告書

文化戦争以降の米国歴史教科書におけるジェンダー概念と社会統合の論理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20730527
研究機関筑波大学

研究代表者

岡本 智周  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60318863)

キーワードアメリカ / 歴史教育 / 歴史教科書 / 文化戦争 / ジェンダー / 社会統合 / フェミニズム / パックラッシュ
研究概要

本研究は、文化戦争以降のアメリカ合衆国の歴史教育の内容を把握し、1960年代以降に女性が獲得した社会や家庭での新たな役割がそこにどのように表現されているのかを分析するものである。2008年度は、研究計画に即して以下の2つの課題を設定して研究活動に取り組んだ。(1) 1980年代以降現在までの主要な歴史教科書の内容をデータベース化し、とくにバックラッシュ以降のジェンダー概念の扱いと、女性像・家族像の表現のされ方を分析する。(2) 文化戦争以降の歴史教育の動向について、とくに「多様性を尊重する多文化主義思想」と「社会の凝集性を重視する保守主義思想」との相克と止揚の観点から探索する。
(1) については、改版されつつ長期に亘り刊行され採択率も高いことを選択基準として40点の歴史教科書を収集し、「20世紀後半のフェミニズム運動」と「家族の変容」に関する記述の抜粋を、年代別に対比させる形でデータベース化した。このデータベースは2008年12月に研究代表者のウェブサイト(http://homepage3.nifty.com/ubiquitous/postbacklash/index.htm)で公開し、テキストの日本語への翻訳を進めた。1960年代以来の社会変革の一環であったフェミニズム運動とその帰結としての現代家族のあり様を、各年代の教科書がどのように評価しているのかという点から、アメリカ社会の統合の論理の変遷を辿った。
(2) については、書籍その他の資料の探索と分析を進めた。その成果の一部は、『アメリカ史研究』第31号に掲載された論文「歴史教科書におけるナショナルヒストリーの隆路と活路-日米の歴史教科書問題を事例として」で発表した。また第5回日本アメリカ史学会年次大会の大シンポジウム「世界史教育のなかのアメリカ史」において、報告「歴史教育の社会化機能について-日米の歴史教科書に通底するもの」を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 歴史教科書におけるナショナルヒストリーの隘路と活路-日米の歴史教科書問題を事例として2008

    • 著者名/発表者名
      岡本智周
    • 雑誌名

      アメリカ史研究 第31号

      ページ: 38-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reflexive Historiography in Postwar Japan's World History Textbooks2008

    • 著者名/発表者名
      Tomochika Okamoto
    • 雑誌名

      Journal of Educatlona Research for Human Coexistence(『共生教育学研究』) 第3巻

      ページ: 1-13

  • [学会発表] 歴史教育の祉会化機能について-日米の歴史教科書に通底するもの2008

    • 著者名/発表者名
      岡本智周
    • 学会等名
      第5回日本アメリカ史学会年次大会・大シンポジウム「世界史教育のなかのアメリカ史」
    • 発表場所
      東洋学園大学本郷キャンパス
    • 年月日
      2008-09-20
  • [備考]

    • URL

      http://homepage3.nifty.com/ubiquitous/postbacklash/index.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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