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2009 年度 実績報告書

「大学教育とキャリア」関係の日本的形成メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20730541
研究機関独立行政法人大学入試センター

研究代表者

濱中 淳子  独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教 (00361600)

キーワード大学教育 / キャリア / レリバンス / 卒業生調査 / 質問紙調査 / 経済学部 / 教育学 / 社会学
研究概要

大学教育とキャリアの関係はどう理解されるべきか。大学教育のレリバンスはどこにあるのか。高等教育が大衆化し、専門分野と卒業後の仕事とのリンクがみえにくくなった日本において、これは政策選択の土台としなければならない基本的な問題である。にもかかわらず、この問題に対する解は見出せておらず、それどころか根拠のない大学教育無用論が飛び交っているのが現状であろう。
本研究では、こうした状況の打破に重要な手がかりを与えてくれるのが「学び習慣仮説」だと考える。この仮説は工学系卒業生調査の実証分析から導き出されたものであり、「大学時代の学習経験は現在のキャリアに直接的な影響は与えないが、現在の学習経験を経由することによって、間接的にキャリアに影響を及ぼしている」というものである(詳細は、矢野眞和,2009「教育と労働と社会-教育効果の視点から」『日本労働研究雑誌』No.588, 5-15)。本研究では、工学系の実態を踏まえたこの仮説を経済学部卒業生にあてはめた場合の説明力をみることによって、大学教育のレリバンスについてさらなる検討を加えるものである。
質問紙調査を実施して分析した結果、主に次の3点が明らかになった。(1)経済学部卒業生に関しても「学び習慣仮説」の基本構図が認められた。(2)ただし、工学系卒業生調査の結果と経済学部卒業生調査の結果とを比較すると、工学系卒業生にとっての「大学時代の学習」のほうが、所得向上により大きな効果を与えていた。データによると、工学系の場合、「大学時代の学習」の効果の大きさは「現在の学習」の効果の約3分の1。他方で経済学部の場合は約8分の1という値だった。(3)経済学部卒業生の大学教育への評価は、工学系卒業生のそれに比べて低いものになっている。こうした結果には、以上で示した「効果のつながりの弱さ」が関係していると考えられる。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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