書くことの学習指導に関して小中高の教員との協議を継続的に行い、学習活動の種類とその背景にある学習観の現状について検討を行った。また、国語科の年間指導計画についても問題整理を行った。その結果、教師と児童生徒の人間関係ならびに社会生活と学校生活における話題の共有の度合、単元における学習課題とそれに基づく児童生徒の学習への参加の様態等が書くことの学習指導に関わっており、同時にそれが校種によって違っていることが明らかになった。 こうした現状認識に基づき、小学校高学年の書くことの授業の調査、分析を行った。主に単元の指導過程における児童の学習場面への参加の構造と役割の変化、ジャンルの選択について分析した。その結果、学習の話題、題材に対して学習場面における役割と議論の全般における書き手としての役割の選択と変化にはミクロな談話と参加構造が関わっていることが明らかになった。その一部を論文にまとめた。 この調査、分析の結果をふまえ、児童・生徒が小中高において一貫性を見いだせるような書くことの学習指導を構想する上で、題材と活動を中心とした学習の考え方の有効性が認められることを確認し、次年度に実施を計画している中学校、高等学校における書くことの授業の調査と分折に向けた実践の方法と記録の観点を整理した。
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