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本研究は、農業高校における地域連携教育に焦点をあて農業高校教育が地域に及ぼす影響と地域が農業高校に及ぼす影響について調査研究を行った。昨今の農業高校における地域連携教育は、「農業振興」「産学連携」「環境」「教育」「文化」「医療福祉」などの視点から幅広く行われている事が明らかとなった。農業高校の持つ教育的資源が様々な形で地域課題の解決に結びつくなど、新たな形として農業高校教育の社会的還元が行われていることが明らかとなった。
現地調査として今年度は、山形県内の農業高校および地元地域への継続調査を行い、教職員や生徒へのインタビュー調査を実施した。特に生徒インタビューでは、入学動機や進路意識そして農業高校の教育内容などについて聞き取りを行った。地域連携教育は、生徒にとって地元地域を見つめるきっかけとなり、さらには生徒の進路意識に少なからず影響を与え、生徒のモノ作りや取り組みなどに対する社会的評価に繋がる事も明らかとなった。一方で、地域連携教育の課題は、地域づくりに参画する学校と地域住民の生活構造との間にズレが生じる場合があり、地域と学校の連携におけるマッチングの問題や教職員における地域連携教育に対する意識や運営手法における課題も浮き彫りとなった。
特に近年、農業高校において特別支援学校やその分校が併設される傾向があり、障害者との農業を通じた連携が行われるなど、福祉的視点を視野に入れた新たな農業教育の課題などは今後の研究課題として行きたい。
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