平成22年度は、米国マサチューセッツ州の「ウスター(Worcester)の公立学校における多様な困難・ニーズのある子どもの特別な教育的配慮と特別学校・学級(1898-1910年)」の研究に取り組んだ。1898-1910年のウスターの公立学校における多様な困難・ニーズのある子どもへの特別な教育的配慮のひとつとして特別学校・学級がどのように位置づけられ、いかなる性質のものであったのかを明らかにするため、(1)公立学校における多様な困難・ニーズのある子どもへの特別な教育的配慮としてどのような対応がとられていたのか、(2)特別学校の開設経緯及び運営形態、(3)対象児の変化と学級種別の分化の3つの視点から分析を行う。 その成果は日本特別ニーズ教育学会岡山大学大会において「19世紀末から20世紀初頭マサチューセッツ州ウスターの特別学校・学級と特別な教育的配慮」として研究発表を行った。その後、検討を加えて「ウスター(Worcester)の公立学校における多様な困難・ニーズのある子どもの特別な教育的配慮と特別学校・学級(1898-1910年)」として論文を公表した。さらにクラーク大学における児童研究所の異常児研究と実践について明らかにする研究課題を進めるため、3月に1週間程度の日程で渡米し、現地でG.S.Hall Papersおよびクラーク大学の記録等の資料調査を実施した。
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