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2009 年度 実績報告書

ファノ多様体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20740005
研究機関東京大学

研究代表者

高木 寛通  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30322150)

キーワードファノ多様体 / 極小モデル理論
研究概要

本年度は、高々1/2(1,1,1)-特異点しか持たないファノ三様体Xのいくつかの例について、それらを反標準線形系によって重射影空間に埋め込んだものが,より大きな重射影空間に入っている多様体で非簡約形代数群が半等質的に作用しているものZの、線形な切断になっていることを示した。これは、向井茂氏による非特異ファノ三様体の等質空間の切断としての記述の一般化である。より具体的には、Xの種数をg、特異点の数をNとすると、(g,N)=(8,1),(7,1),(6,2),(6,1),(5,1),(4,2),(4,1),(3,3),(3,2),(3,1)の場合にZを見つけることが出来た。例えば、(g,N)=(8,1)の場合、Zは5つの加法群の直積と二次元射影変換群の半直積が半等質的に作用している。また、(g,N)=(4,2)の場合は、Xの重射影空間の中での余次元が4であるが、このような余次元4のファノ三様体に対するZの候補について、リード学派が可換環論の視点から詳細に研究していた。そのリード学派の研究との関連について調べるのは今後の興味深い課題である。すべての記述は非常に具体的であり、非特異ファノ多様体で代数群が半等質的に作用するものの上のベクトル束の射影化を双有理変換して得ることができる。この具体的な記述を通して、Zの統一的なとらえ方を見つけ、より一般のファノ三様体をも切断に持つような非簡約型代数群の半等質多様体のクラスを組み合わせ論的に分類する足がかりにしたい。そのために十分たくさんの例を見つけたと思っている。そして、最終的には、ファノ三様体のそのような記述法が、ファノ三様体の反標準線形系がデュヴァル特異点しか持たない元を含むというリード予想の自然な根拠を与えてくれると期待している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 種数4偶スピン曲線のモジュライの有理性2009

    • 著者名/発表者名
      高木寛通
    • 学会等名
      射影多様体の幾何とその周辺2009
    • 発表場所
      高知大学理学部
    • 年月日
      2009-11-22
  • [学会発表] The moduli space of genus 4 spin curves is rational2009

    • 著者名/発表者名
      高木寛通
    • 学会等名
      Classification of Algebraic Varieties
    • 発表場所
      Schiermonnikoog, Netherland
    • 年月日
      2009-05-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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