今年度の研究実績概要は次のようなものである。 国内の他大学での研究成果発表を3回行った。内1回は日本数学会代数学分科会の特別講演である。学内での勉強会・セミナーの講演を1回行い、国内の3つの研究集会に参加した。その内2つは私自身がオーガナイザーの一人であった。 出版については、高次元正則局所環の類体論に関する論文がMathematische Annalenに受理され、北海道大学大学院理学研究科の朝倉政典氏との共同研究に関するサーベイがTata研究所(TIFR)での研究集会報告集に受理された。朝倉政典氏との共同研究では、今年度はp進体上の楕円K3曲面のp進レギュレーター写像(単数基準の一般化)を計算し、チャウ群のp準素ねじれ部分の有限性について新しい結果を得た。また東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究で、前年度に引き続き一般のスキームのチャウ群の理論(特に反変関手性)を整備した。 広島大学大学院理学研究科の木村俊一氏の発案による大学院生向けのワークショップ「モチーフ勉強会第4回」と望月哲史氏の発案による研究集会「代数的K理論とmotive理論の現状」にオーガナイザーとして参加した。これらの試みについては今後も意欲的に参加する予定である。
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