今年度の研究実績概要は次のようなものである。 国内での研究成果発表を2回行った。またドイツのOberworfach数学研究所で行われた代数的サイクルに関する研究集会に招待され、参加した。 広島大学大学院理学研究科の木村俊一氏の発案による大学院生向けのワークショップ「モチーフ勉強会第5回」に参加した。このような試みについては今後も意欲的に参加する予定である。 出版については、前々年度から継続していた北海道大学大学院理学研究科の朝倉政典氏との共同研究に関する主論文を完成し、雑誌に投稿した(現在レフェリー中である)。私自身の研究では、p進体上の半安定還元を持つような多様体のp進レギュレーター写像(単数基準の一般化)を計算し、代数的K群の整数部分の像がガロアコホモロジーの有限部分(finite part)に含まれるという結果を得た。この結果は論文に執筆中である。また東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究で執筆した算術的スキームのp進レギュレーター写像とサイクル写像に関する論文が、雑誌Documenta MathematicaのAndrei Suslin記念号に受理された。
|