今年度の研究実績概要は次のようなものである。 国内での研究成果発表を6回行った。またドイツのOberworfach数学研究所で行われた代数的サイクルに関する研究集会に招待され、参加した。 広島大学大学院理学研究科の木村俊一氏の発案による大学院生向けのワークショップ「モチーフ国際研究集会第6回」に参加し、講演を行った。このような試みについては今後も意欲的に参加する予定である。 出版については、北海道大学大学院理学研究科の朝倉政典氏との共同研究で執筆した論文がJournal of Algebraic Geometry誌に受理された。また東京大学大学院数理科学研究科の齋藤秀司氏との共同研究で執筆した算術的スキームのp進レギュレーター写像とサイクル写像に関する論文がDocumenta Mathematica 誌のSuslin記念号、およびAnnals of Mathematics誌に掲載された。私自身の研究では、p進体上の半安定還元を持つような多様体のp進レギュレーター写像(単数基準の一般化)を計算し、代数的K群の整数部分の像がガロアコホモロジーの有限部分(finite part)に含まれるという結果を得た。この結果については論文を投稿中である。
|