代数多様体の導来圏のある種のよい生成元をFull strong exceppional collection (f.s.e.c.)という。与えられた代数多様体に対しf.s.e.c.はいつも存在するわけではないが、例えばトーリック多様体の場合はそれにかなり近いものが存存することが川又氏によって示されている。 Bondalはトーリック多様体の構造層のフロベニウス順像は導来圏を生成することを予想した。一方フロベニウス順像は直線束に分裂することが知られており、これらを用いるとフロベニウス順像が高次の自己準同型を持たなければ、それらからf.s.e.c.を見つけることができる。私は京大の大川領氏との共同研究で、これを2次元の場合に証明した。 また首都大東京の修士の学生、富樫高人氏との共同研究で射影束を持つ楕円曲面の分類をし、それを用いて、与えられたそのような曲面に対し、導来圏が同値な曲面はどのようなものか、完全に記述した。
|