研究概要 |
1. 滑らかな射影的トーリック多様体上の2-サイクルと, 1次元コーンの原始的生成元の間の二次関係式とが対応していることを示した. これにより, 通常の森理論のときと同様に, 組合せ論的な議論が行えるようになったと言える. 2. 1. の結果を用いて, 部分曲面が射影平面, ヒルツェブルフ曲面の場合に, 数値的同値類の中での表現を決定し, 具体的な計算が出来るようにした. 更に, ブロー・アップを施した場合についても, 同様に具体的な表示を得た. 任意の曲面は, 射影平面, ヒルツェブルフ曲面を有限回ブロー・アップすることによって得られるので, この結果により, すべての部分曲面について具体的な計算が行えるようになったと言える. 3. 2. の結果を用いて, 幾つかのトーリック多様体のクラスについて, 2-森コーンの計算を行った. 結果として, ピカール数が2のトーリック多様体について, 2-森コーンの形を決定し, 更にその生成元の形を決定した. 4. 3. の結果を用いて, 幾つかのトーリック多様体のクラスについて, 2-ファノ多様体であるかどうかを判定した. 4次元のトーリック・ファノ多様体については, 現在も計算中であるが. 1. 〜3. の結果により, 大変見通し良く計算が出来ていると思う. また, ピカール数が2のトーリック多様体については, 2-ファノ多様体の分類を完全に行った. この場合, 射影直線束がファノ多様体になるときに限って, 2-ファノ多様体になる. ピカール数が3の場合についても計算中である.
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