研究課題
広島大学の石井亮氏との共同研究を継続、発展させた。特に、特殊McKay対応において生じる半直交直和因子が完備例外列を持つことや、フェルマー多様体を自然な群作用で割って得られる商スタックが直線束からなる強完備例外列を持つことを証明することができた。後者の結果から、フェルマー多様体を自然な群作用で割って得られる商スタックの上の連接層の導来圏が箙を用いて記述できることが従う。また、香川大学の野原雄一氏と共同で、グラスマン多様体上の完全可積分系のトーリック退化を構成し、対応するポテンシャル関数を計算した。このトーリック退化は一意的ではなく、平面上の凸多角形の三角形分割と一対一に対応しており、異なる退化から得られるポテンシャル関数は具体的に書き下せるある変数変換によって互いに結びついている。さらに、ここからシンプレクティック商を取ることにより、多角形のモジュライ空間の上の完全可積分系のトーリック退化を得ることもできた。また、首都大学東京の小林正典氏、真瀬真樹子氏と共同で、次数付き安定導来圏における押し出し関手と、射影的多様体の連接層の導来圏における押し出し関手の間の関係に関する研究を行った。さらに、これをArnoldの14個の例外型特異点に適用することによって、対応するK3曲面の連接層の導来圏の上に、EbelingとPloogが見出したものと類似の性質を持つ対象の列を見出すことができた。さらに、孤立Gorenstein商特異点の次数付き安定導来圏に関する研究も行った。特に、この圏が完備例外列を持つことを示した。
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Proceedings of the Japan Academy, Series A
巻: Volume88, Number2 ページ: 31-33
Journal of algebra
巻: 352 ページ: 382-391
10.1016/j.jalgebra.2011.11.034
http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~kazushi/index.html