研究課題
本研究の目的である3次元球面内の結び目に沿った有限型デーン手術(有限基本群をもつ3次元多様体を生成するデーン手術)の特徴付けに向けて、有限型手術を含むクラスであるザイフェルト手術の研究を行った。これは研究計画における第一目標であったプレッツェル結び目に関する研究の完成をうけて、さらに一般化を目指すものである。特に、論文「Toroidal Seifert fibered surgeries on Montesinos knots」(鄭仁大氏(大阪市立大学)との共著論文、研究誌「Communications in Analysis and Geometry」に掲載)では、本研究の第一目標としていた研究対象であるプレッツェル結び目、および、それを含むクラスであるモンテシノス結び目に関して、ザイフェルト手術の中でも、トーラス的と呼ばれる手術を完全に分類し決定した。トーラス的ザイフェルト手術の分類は、3次元球面内の結び目に関しては未だ完成されておらず、モンテシノス結び目というクラスにおいて完全分類を与えたことには十分な意義があると考えられる。また、より一般に3次元球面内の強可逆結び目と呼ばれるクラスに関して、それらがザイフェルト手術を許容するための判定条件の研究を進めた。またこれらの研究成果に関して、「日本-メキシコ トポロジー国際研究集会」や研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」において研究発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
Proceedings of Japan Academy, Ser.A Mathematical Sciences
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日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要
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http://www.math.chs.nihon-u.ac.jp/~ichihara/Research/index.html