研究概要 |
可解群の幾何学と部分多様体に関して,以下の研究を行った. (1)久保亮と共同で,非コンパクト型対称空間への等長的作用で,全ての軌道が互いに合同となるような例を数多く発見した.この中には,全ての軌道が極小かつアインシュータインになる作用の例も含まれている.この成果については,論文にまとめ,現在投稿中である.またこれらの作用の軌道の幾何に関する研究も,現在継続中である. (2)カンドル代数に対して,リーマン多様体のtwo-point homogeneityの概念の類似を定義し,そのような性質を持つカンドルのうち元の個数が素数となるものを分類した/この成果については,論文にまとめ,現在投稿中である. (3)松崎勝也と共同で,複素双曲平面への余等質性2作用の分類を行った.その中には,既に知られているpolar作用の例に加えて,polarとならない例も連続的に含まれている.分類表に登場する作用の同値性を判定する問題が残されているので,今後はその問題に取り組むと共に,軌道として現れる曲面の幾何を調べる予定である. (4)橋永貴弘と共同で,可解リー群上の左不変Riccisoliton計量の研究を行った.その研究に必要となる Milnor型定理に関する結果,および,三次元可解リー群の場合にRiccisoliton計量が対応する部分多様体の極小性で特徴付けることができるという結果については,現在論文を執筆中である.また四次元可解リー群に関してもいくつかの進展があった.
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