研究概要 |
本研究は多品種流の理論の統一的理論の構築を目指すものである.本年度の重点課題は,一般化されたKarzanovの予想「タイトスパンの次元が2以下になるターミナル重みによって定義される整数容量最大多品種流問題には,固定された正整数kが存在して常に1/k-整数フローが存在するであろう」の解決である.準備として,双対問題をfolder複体と呼ばれるCAT(0)空間上の施設配置問題として表す枠組みを導入した.これによって,より組合せ的に双対問題を扱えるようになった. この成果を"Folder complexes and multiflow combinatorial dualities"としてまとめ投稿した.そして,上記の一般化されたKarzanovの予想を肯定的に解決した.それを"The maximum multiflow problems with bounded fractionality"としてまとめ投稿した.その後も研究をすすめ,点容量型の多品種流問題について,木の上の領域型施設配置問題との興味深い双対性を確立した.それを"Half-integrality of node-capacitated multiflows and tree-shaped facility locations on trees"としてまとめ投稿した. また,研究成果の一部を,5月のHungary-Japan symposium on discrete mathematics and its applications,8月のInternational Symposium on Mathematical Programming,その他国内学会で発表した.投稿中であった論文"Metric packing for K3+K3"の改訂作業を行い,採録予定となった.
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