研究概要 |
本年度の主要な結果として,一派化されたFisher情報量を用いた,一般化されたクラメール・ラオの不等式について,更なる考察を行った.特に,クラメール・ラオの不等式の下界を与える一般化ガウス分布の一般化された分散の振る舞いについて考察した.これについては,2つの国際会議で講演及びポスター発表を行った.また,その学会のプロシーディングスに成果発表の論文を書いた. 次に,Wigner-Yasase skew informationとWigner-Yasase-Dyson skew informationに関連した行列トレース不等式の証明をし,これが国際ジャーナルLinear Algebra and its Applicationsに掲載された. さらに,一般化されたWigner-Yasase skew informationを用いた不確定性関係タイプのトレース不等式を証明し,これが国際ジャーナルJournal of Mathematical Analysis and Applicationsに掲載された. また,上記のような情報幾何学に関連した内容とは別の情報理論に関する研究成果として,二経数拡張された相対エントロピーの一意性定理の証明に成功し国内学会,第32回情報理論とその応用シンポジウム(SITA2009)で講演した.なお,この内容の研究成果については,現在,論文投稿中である.
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