複素平面上の開単位円板上のp乗可積分正則関数からなるバナッハ空間であり、ハーディー空間及びベルグマン空間とは密接な関係があるものとして荷重付きディリクレ空間がある。本研究の目的は、一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の作用素、特に掛け算作用素、テープリッツ作用素、ハンケル作用素がいつ閉値域を持つのかを特徴付けることである。そこで先ず、荷重付きディリクレ空間上で定義される掛け算作用素が閉値域を持つこととサンプリング集合には密接な関係があることに着目し、サンプリング集合に関する解析を行った。 具体的には、荷重付きディリクレ空間上で定義されるハンケル作用素が閉値域を持つ必要十分条件をサンプリング集合を用いて特徴付ける研究に着手し一定の成果を上げた。その結果は幾つかの研究集会において発表し、現在、専門雑誌に投稿中である。そして、それらの特徴付けを応用し、荷重付きディリクレ空間上に関するサンプリング集合の生成に関する研究を行い、これまでには無かった新しい結果を得た。そこでまとめた結果は学術論文として現在投稿中である。また、その結果に関して更なる吟味を重ね、荷重付きディリクレ空間上におけるテープリッツ作用素がいつ閉値域を持つのかに関する新しい条件を得た。その結果に関しては幾つかの研究集会において発表を行い、現在、専門雑誌に投稿中である。更に、具体的な例の検証から、別の条件に関する研究に着手し、幾つかの成果が上がってきている。これらの結果は来年度、発表予定であり、吟味の上で、専門雑誌に投稿する予定である。
|