今年度の前半は、昨年度に引き続きCambridge大学Isaac Newton研究所での確率偏微分方程式に関する研究プログラムに参加し、Sergio Albeverio氏、Michael Roeckner氏との共同研究成果を論文としてまとめた。この論文は現在、専門誌に投稿中であるが、Isaac Newton研究所のプレプリントシリーズにも登録した。またこの研究成果をイギリス各地の確率論セミナーや国内の研究集会でも口頭発表し、今後の研究につながる有意義な意見を数多く頂いた。 またループ空間上のBrown運動を始めとするBanach空間上の拡散過程に対するFourier-Laplace型汎関数積分の漸近挙動に関する研究を、Rough Path理論を用いたアプローチで前年度に引き続き行っているが、Bismutのマリアヴァン解析の考え方が我々の問題に有効である知見を得た。 詳細の検証は来年度に引き続き行っていく。
|