研究概要 |
1. 研究成果の内容:平面内(空間2次元)の摩擦を伴う媒質を伝播する波の運動を記述する方程式を研究対象とした.周期一定の波の散乱状態を表す解を構成できることおよび解の散乱状態から媒質の摩擦係数を一意的に再構成できることがわかった. 2. 意義:平面内での微分方程式の解の具体的表示や構成手続きを与えることは,数値解析へと応用できる可能性がある.また,より複雑な媒質(層状媒質など)の場合についても本研究で得た結果を応用できる. 3. 重要性:平面内における複素係数を持つ微分方程式の散乱問題と逆問題で生じる数学的困難を解決する1つのアプローチを提示した.平面内における逆問題は未解決の問題を含んでいるため,国際的にも関心は高い.本年度,上記の研究成果を専門家が集まる国際会議「International Conference on Inverse Problems and Applications」で招待講演者として発表できたことは大変喜ばしいことである.
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