研究概要 |
本年度は, κ|u|^<P-1>U+iβ|U|^<q-1>Uを非線形項にもつ複素ギンツブルク・ランダウ型方程式(以下(CGLT)と略記する)とその特別な場合である非線形シュレディンガー型方程式(以下(NLST)と略記する)の可解性の研究を中心に行った. まずp>qの場合に(CGLT)と(NLST)に対する大域的弱解と大域的強解の存在と一意性に関する結果を得ることに成功し, その成果を論文としてまとめているところである. また, p>qの場合の(CGLT)に対する解作用素の平滑化作用が得られることもわかってきた. 一方, p<qの場合については, 非線形項のべきに対して制限を課す必要があることがわかったので, これから解決していきたいと考えている. また, 通常の複素ギンツブルク・ランダウ方程式に対応するp=qの場合に, レゾルベント問題を考察し, Okazawa(2006)の先行研究を改良する結果を得ることに成功した. その結果は, 単調作用素や劣微分作用素を用いた作用素論的観点からの複素ギンツブルク・ランダウ方程式のLP理論の構築につながる可能性があり, 現在論文としてまとめているところである. さらに, 研究代表者が幹事を務めた「第30回発展方程式若手セミナー」において本研究課題と関連の深い研究を行っている人を集め, 今後の研究に役に立つと思われる議論を行うことができたことも大きな成果であったといえる。
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