ある汎関数に対して、その汎関数の値が最も減る方向に関数の動きを導く方程式を勾配流方程式という。方程式が何らかの意味で勾配流方程式とみなせるとき、その方程式は変分構造をもつという。本研究では、変分構造をもつ幾何学的時間発展方程式として表面拡散方程式とWillmore流方程式を研究対象とし、それらの方程式に対して可解性および解の挙動に関する研究を行う。具体的には、表面拡散方程式に対する定常曲面である平均曲率一定曲面やWillmore流方程式の定常曲面であるWillmore曲面の安定性を解析し、それら定常曲面の近傍での動曲面の挙動を明らかにすることを目的とする。また、その挙動の過程で曲面に特異点が現れることが知られているが、その特異点の解析を行うことを目的とする。
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