2009年度は、以前から取りくんでいたアクセサリー・パラメータを4つもつFuchs型微分方程式の変形理論からくる非線型微分方程式の研究において、これらのシンプレクティック構造を具体的に記述することに成功した。分類に現れる4つの方程式のうち、よく知られたGarnier系以外に、笹野系と藤-鈴木系が含まれていることがわかったのは大きな成果だと思う。これについては論文を準備中である。 また川上氏中村氏との共同研究として、これらの方程式の退化として現れる非線型方程式についていくつかの計算結果を得た。これについてはさらに研究を続け、ポアンカレ・ランクが整数の不確定特異点をもつ線型方程式の変形理論に対応するものを全て網羅してから、論文として発表したいと考えている。
|