研究概要 |
プラズマ物理学において現れる超流動状熊を記述した準線形Schrodinger方程式の定在波の存在および一意性について変分的研究を行った。空間変数に非一様に依存する場合における弱い対称性のもとでのG-不変解の存在に加え,自励系の準線形楕円型方程式に対する正値解の一意存在と非退化性に関する結果を得た。この結果は準線形項のパラメータが大きい場合に一意性が成立するという結果であり,準線形性が強い場合に一意性が成立すると捉えることができる。これは準線形性が正値解の一意性に強く影響を及ぼしている特徴的な結果であるといえる。一方,準線形項のパラメータが小さい場合,すなわち準線形性の影響が弱い場合は一意性に関する結果は得られていない。しかし,正値解の一意性,特にground stateの一意性はSchrodinger方程式の軌道安定性理論の確立に必要不可欠であり,その意味において非常に重要な結果である。一意性の証明にはDual approachを用いて準線形楕円型方程式を対応する半線形楕円型方程式に変換し,半線形楕円型方程式に関する解の一意存在理論をうまく適用した。この理論適用には非線形項の包括的な扱いと無限遠方での挙動の詳細な計算が必要であり,変分的理論の立場からも意義深い。
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