研究課題
本研究では、宇宙に存存する巨大質量ブラックホールが形成後どのように大質量に成長してきたかを探ることを目的としている。まず、成長中のブラックホールを見つけ出すために、XMM-Newton衛星による大規模なX線天体カタログを用いた候補天体の探索を行ってきた。今年度までに、探索が可能な程度の質のX線データが得られている天体については、ほぼ解析を完了した。その結果をもとに、ブラックホール質量の推定、可視光データとの比較を行い、国内学会および国際研究会において成果を発表した。また、この探索の過程で軟X線が異常に強い特異な性質を示す天体を発見した。この特徴は、急激な質量成長を起こしている兆候である可能性があり、詳細な解析と速報論文の準備が進行中である。次に、広帯域X線スペクトルの詳細解析も進め、6天体について軟X線スペクトルと鉄蛍光輝線の双方の形状を用いて、質量降着を担っている降着円盤の構造を定量的に評価し、査読論文として発表した。さらに、質量成長との関連が考えられる、大量の物質により隠された巨大ブラックホールのX線スペクトルとX線強度変動の解析を進め、その結果を査読論文に発表・投稿した。隠されたブラックホールのうち、ブラックホール質量の小さい1例においては、視線上の吸収物質の量が半年以下の比較的短い時間スケールで変動していることがわかり、吸収物質の性質などについての検討が継続中である。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (11件) 図書 (1件)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: 411 ページ: 2353-2730
Astrophysical Journal
巻: 729 ページ: 31(11)
The First Year of MAXI : Monitoring variable X-ray sources
巻: (印刷中)
The Energetic Cosmos : from Suzaku to Astro-H
ページ: 324-235
ページ: 326-327
ページ: 330-331
ページ: 332-333
ページ: 334-335
ページ: 360-363
ページ: 368-369
X-RAY ASTRONOMY 2009 : PRESENT STATUS, MULTI-WAVELENGTH APPROACH AND FUTURE PERSPECTIVES
ページ: 337-342
ページ: 483-484
ページ: 445-446
巻: 721 ページ: 1340-1347
SPIE
巻: 7732 ページ: 77320Z-77320Z-18